*講習内容
このコースでは、減圧ダイビングの理論や方法、そして実際の手順を学びます。
減圧ダイビングとは、潜水後に安全のために一定時間をかけて浮上する必要があるダイビングのことです。
※オーバーヘッド環境ではありません。
コースの目的
- 最大深度 45m(150ft) までの標準的な減圧ダイビングを計画し、実際に安全に実施する方法を身につけます。
- 減圧に必要な器材の種類やセットアップ方法、減圧方法を紹介します。
- ナイトロックスガス(EAN)や酸素を減圧に使用します。
学科内容(講習で扱うテーマ)
このコースでは、ダイビングに必要な知識とスキルを学びます。主な内容は次のとおりです。
1.安全停止と減圧停止ダイビングの歴史
安全停止と必須の減圧停止の違い。今までの減圧理論の発展歴史
2.物理学
– 圧力についての復習。
大気圧、水中での圧力、ボイルの法則、ドルトンの法則
3.生理学
– 気泡が体内でできる仕組み
– 高酸素ガスを減圧に使うメリット
– 窒素の吸収と排出
– ガスマイクロ核
– M値とは
– 組織コンパートメント
– ハーフタイムとは
– サイレントバブルの発見の歴史と考察
– 減圧障害
– 減圧症の種類
– 卵円孔開在(PFO)
– 再圧治療
– ナルコシス(ガス昏睡)
– 酸素に関する問題
– 浮上・潜降スピードの影響
– 高体温症と低体温症(ハイポサーミア)
– 二酸化炭素中毒
– 一酸化炭素中毒
4.減圧理論
– ホールデン理論
– ネオホールデン理論
– ビュールマンZHL16アルゴリズム
– ディープストップ
– グラディエントファクター(GF)
– VPMアルゴリズム
– RGBMアルゴリズム
– デュアルフエーズモデル
– サイレントバブルの挙動
– 周囲圧とラプアス圧の関係
– サイレントバブルのコントロール
5.デコガスの選び方
– エア
– ナイトロックス
– 酸素
6.器材の選び方と使い方
– ツインシリンダー/バルブの選択
– ステージシリンダーの選択
– レギュレーターの選び方
– ハーネス/BCDの選び方
– コンピュータ、深度計、ボトムタイマーの選び方
– 浮上やナビゲーション用リール
– ドリフト減圧やフリー浮上減圧用のSMB
– 減圧中の適正ウエイトと浮力コントロール
7.ダイブテーブルとコンピュータ
– 様々な減圧モデル(ビュールマン、VPM、RGBM)
– マルチレベルダイブコンピュータの正しい使い方(使用するガスの設定、GFの設定)
8.潜水計画
– 潜る前に整理しておく「安全のための基礎知識や判断材料」情報(ガス条件、酸素限界、窒素制限)
– 緊急時の計画(減圧省略、減圧症、器材故障)
– 心理的な側面(タスク負荷、ストレス、パニック、時間管理、器材への注意)
9.手順
– ガスの扱い(通常、故障やガスロス時の対応、アナライズと記録、レギュレーターの安全管理、器材の設置)
– 潜降(エントリー方法、ライン使用、器材の整理)
– 浮上(速度の違い、トリムと浮力補正)
– 減圧方法(ライン沿い、ドリフト減圧、リールやSMBの使用、ボート供給ガスとの比較)
– サポート方法(沿岸、固定プラットフォーム、ダイビングクルーズボートからの支援)
ランドドリル(陸上での練習)
水に入る前に、器材や計画を確認し、チームで安全に準備するための練習です。
1.器材の選択と準備
減圧ダイビングに適した器材を選び、正しく準備します。 ※オーバーヘッド環境ではありません。
2.器材の取り回し練習
持っている器材すべての取り回しの練習を行います。
3.ガススイッチのチームワーク練習
バディチェックを行いながら、ガスを切り替える手順を練習します。
4.ガスマッチング
バディ同士でガスの量を確認し、計画に合わせた考察をします。
5.ハンドサイン、ライトサインの確認
基本的な水中サインを練習し、チームで意思疎通ができるようにします。
6.SMB(フロート)のチームワーク練習
バディチェックを行いながら、フロートを上げる練習をします。
7.潜水計画の立案と考察
安全を満たすために、次の点を考えて計画を立てます:
– 個人とチームのガス消費量に基づく制限値を考察します。
– 制限値を使ってダイブプロファイル(潜水の流れ)と減圧プロファイル(浮上の流れ)を計画します。
水中ドリル(講習で身につけるスキル)
このコースでは、水中で安全に減圧ダイビングを行うための練習をします。内容は次の通りです。
1.浮力コントロール
手足を動かさずに、その場で安定してホバリングできるようにします。
2.チームワークとアウェアネス
バディやチームメンバーと適切な距離を保ち、合図やコミュニケーションを練習します。
3.デコシリンダーを装備して泳ぐ
追加のタンクの装着と脱着及び持った状態で、水面や水中を快適に泳げるようにします。
4.デコシリンダーのドロップ&回収
中性浮力で水中で安定して同じ場所にとどまり、減圧用タンクを外して回収する練習をします。
5.SMB(フロート)の使用
単独またはチームで、リフトバッグを安全に上げる練習をします。
6.緊急浮上の練習
フロートや緊急ラインを使って、コントロールされた浮上を行います。
7.マスク交換
バックアップマスクに付け替える練習をします。
8.ガス漏れへの対応
バルブやレギュレーターからガスが漏れたときに、どこが漏れているのか探しの正しい対処を練習します。
9.BCDインフレーターの不具合対応
ホースを外し、口で空気を入れて浮力を調整する方法を練習します。
10.ガススイッチの確認
バディやチームと正しくガスを切り替えたことを確認します。
11.バディブリージング
減圧ガスをバディと共有して、最低1分間呼吸します。
12.レギュレーターのフリーフロー対応
レギュレーターがフリーフローした場合の対処を練習します。
13.緊急減圧スケジュールの調整
時間や深度を超えた場合に、減圧スケジュールを正しく修正します。
14.疲労ダイバーの曳航
水中や水面で、疲れたダイバーを30m(100ft)曳航します。
15.フィンワーク練習
フロッグキック、モディファイドフロッグキック、モディファイドフラッターキック、バックキック、ヘリコプターターンの練習をします。
16.計画通りのダイビング実施
器材のセッティング、潜降・浮上スピード、ステージストップ、減圧器材の確認を正しく行います。
17.不測の事態への対応
減圧省略、ボトムタイム延長、フロート打ち上げの失敗、ラインやアンカーを見失う、ガスロスなどに対応します。
18.安全停止と減圧停止
ノーストップダイビングでは最低3分間の安全停止を行い、減圧が必要な場合は適切な減圧停止を実施します。
19.緊急ガスシェア (エア切れの練習)
中性浮力で水中で安定して同じ場所にとどまり、バディとガスを共有します。
20.緊急ガス切替え
バックアップレギュレーターやベイルアウトシステムに切り替える練習をします。
21.それぞれのガス管理
ボトムガス、デコガスの適切な配置、マネジメント、使用法をデモンストレーションする。
・控えめなガスマネジメント
・ミックスガスに対して深く潜降しすぎないよう深度をコントロールする
・ダイビング中、インストラクターからの指示やシグナルに対して適切で速やかな対処、浮力コントロールやアウェアネスを示す。
必須器材
このコースを受講するために必要な器材は次のとおりです。
・プライマリーシリンダー
バックマウントもしくはサイドマウントを当店が用意します。
・デコシリンダー(減圧用タンク)
– 計画やガス消費量に合ったものを当店が用意します。
・ダイブコンピュータとバックアップダイブコンピュータまたは深度計とボトムタイマー、
・各シリンダーに取り付けるレギュレーター
ファーストステージとセカンドステージを装備
・SPG(残圧計)
すべてのファーストステージに装着します。
・BCD(浮力調整具)
器材のセッティングに合ったもの。
・ラインカッティングデバイス
万が一ロープなどに絡まったときに切るために最低2つ持ちます。
・ジョンラインやその他のリギングライン
ダイブサイトの環境に応じて使用します。
・SMB(サーフェスマーカーブイ)と浮上用リール
– 計画した最大深度に合った長さ
– 環境に合ったサイズと浮力
・酸素アナライザー
当店が用意します。
・保護スーツ
オープンウォーター環境に適したもの。
・水中スレートまたは水中ノート
水中でメモやコミュニケーションに使うために使用します。
このコースの修了条件
このコースを終えるためには、次の3つの条件を満たす必要があります。
・学科テストに合格すること
TDI減圧手順コースの筆記試験に合格する必要があります。
・水中トレーニングを安全に行えること
オープンウォーターでの練習課題を、すべて安全かつ効果的に実施できること。
・計画と判断力を示すこと
ダイビングの計画を立てて実行するときに、慎重で正しい判断ができることを示すこと。
*なぜこの講習をする目的
*今後の活動
このコースを修了するとできること
修了者は、直接インストラクターの監督がなくても減圧ダイビングに参加できるようになります。
ただし、次の条件がそろっている場合に限ります。以下の条件を超える場合は必ずインストラクターからののアップデートを受けて自身の行動範囲を広げるようにしてください。
- ダイビングの内容が、講習で練習したものと同じであること
- 活動するエリアが、講習で使った場所と同じであること
- 環境条件が、講習時と同じであること
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修了後に進めるステップ
このコースを修了すると、さらに上級のコースに進むことができます。