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陸奥ダイビングセンター

ビルジキール ・バルジ

ビルジキール

図の赤に塗られた部分がビルジキールです。
船舶底部の湾曲部の汚水(ビルジ)を貯めておく箇所に取り付けられているため、ビルジキールと呼ばれます。二枚の板を貼り合わせたフィン状の部材になります。艦がローリングした際、揺れを減衰させる効果があります(図の赤色部分)。

▼左舷側キール(図の赤色部分)。

▼左舷側キール。水深14m付近。

▼右舷側キール(前方)。水深33m付近。右舷側は船体の切断箇所が違うため、左舷側より長く、20m以上の長さが残っています。(キールは下面(舷側)が剥離しており垂れ下がっています。)

▼右舷側キール(後部切断面)。舷側は残ってないので、板が横に張り出しただけのように見えますが、前方まで辿れば、それがキールであると確認することができます。

船体断面・バルジ

下図は、切断された船体の断面を簡略的に示したものです。陸奥は1984年から、近代化改装工事が行われています。兵装の最新化や防御の強化等により増大した6000トンもの浮力を補うため、大型のバルジが増設され増した。下図の赤色部分が追加されたバルジです。バルジとは、艦の側面に儲けた「膨らみ」の構造であり、追加の浮力帯となります。また、重油タンクとしても活用されていました。重油タンクは液層防御としても機能しており、浮力確保、防御力向上の効果を果たしています。


▼キールとバルジ。2016年撮影時。

▼キールとバルジ。2025年撮影時。
写真右側のバルジの隔壁が崩落。そこから連なる船体構造も垂れ下がるように崩れています。陸奥の船体はかなりの速度で腐食が進行しており、今後も崩壊は次々と起こることが予想されます。

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本記事は、陸奥プロジェクトの制作本 『戦艦陸奥 誕生から100年の歴史を視る(1)』のダイジェスト版です。本書はLove & Blueにて好評販売中!お気軽に下記までご連絡下さい。
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頁数: 56ぺージ
初版 発行日: 2024/8/12
第二版改訂版 発行日: 2025/4/4

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