*講習内容
このコースは、高度なレックダイビング(沈船などへのダイビング)を安全に正しく行うための練習と経験を積むためのものです。
学べること
- 進入スキル(ペネトレーション)
沈船や構造物の中に入るときに必要なテクニックを学びます。
- 適切な器材の使い方
レックダイビングに必要な器材を正しく準備し、使えるようになります。
- 危険(ハザード)への理解
沈船ダイビングに潜むリスクを知り、安全に対応できるようになります。
深度の制限
- 講習生がこれまでのトレーニングで安全に対応できる範囲を超えてはいけません。
- このプログラムで潜れる最大深度は 55mまでです。それ以上は認められていません。
必須器材
このコースを受講するために必要な器材は次の通りです。
1.プライマリーシリンダー(メインタンク)
- 潜水計画とガス消費量に合ったサイズ
- デュアルバルブ、ダブルマニフォールド、または独立したダブルシリンダー
- 現地のルールに従ってラベルを貼る
2.トラベルシリンダーやデコシリンダー
- ダイブサイトの状況に応じて使用
- 現地のルールに従ってラベルを貼る
3.レギュレーター(複数必要)
- ボトムミックスガス用シリンダーには、プライマリーとバックアップシステムが必須
- 全てのシリンダーには必ずSPG(残圧計)を装着
- 緊急用ロングホースセカンドステージを準備し、バディとエアシェアできるようにセット
4.BCD(浮力調整具)
- トレーニング環境に適したもの
5.ダイブコンピュータと深度計とボトムタイマー
- ダイブコンピュータとバックアップコンピュータでもいいです(同じ減圧モデルであること)
6.減圧アプリ
- ダイビング計画が立てれるもの
7.ライトシステム
- プライマリーライト
- バックアップライト
8.SMB(サーフェスマーカーブイ)とスプール
- 計画した最大深度に合った長さ
- 環境に合ったサイズと浮力
9.保護スーツ
- オープンウォーター環境に適したもの
10.ラインカッティングデバイス
- 2つ用意する
11.水中スレート
- 水中でメモやコミュニケーションに使用
12.プライマリーリール
- プライマリーペネトレーションリール(講習では120mが推奨)
- 予備のスプール
13.オプション器材(インストラクター判断)
- 水中用ダイブテーブル
- ベイルアウトシリンダー(レギュレーター付き)
- マーカー(クッキー、アロー、レム)
- コンパスや水面シグナルデバイス
学科アウトライン
このコースでは、ランドドリル(陸上練習)と学科トピックを通じて、レックダイビングに必要な知識と安全管理を学びます。
学科内容(講習で扱うテーマ)
1.器材についての考え方
– リダンダントスクーバ(予備の呼吸システム)
– ライト(メインと予備)
– リール(ラインを張るための器材)
– ツール(安全のための補助器材)
2.手順
– プレダイブ(潜水前の準備)
– プレペネトレーション(進入前の確認)
– ペネトレーション(沈船などへの進入方法)
– レックからのエキジット(安全に退出する方法)
3.レックダイビングとオーバーヘッド環境の危険性
– 方向感覚を失うこと
– 視界不良
– 閉じ込められる危険(エントラップメント)
– ロープや構造物に絡まる危険(エンタングルメント)
– 環境的リスク(流れや水温など)
– ガス及びタイムマネイジメント
– ガス切れ(ガスロス)
– ライントラップ(ラインに絡まる)
– バディとはぐれる危険
4.ペネトレーションライン
– ラインの種類
– 正しい使い方
– 他のグループとのラインルール
5.調査と場所の特定
– 現地の規則
– 情報源の確認
– 使用するツール
– サーベイ(事前調査)
6.不測の事態に備えた計画
– チャンバー(高気圧治療施設)の場所確認
– コミュニケーション方法
– 緊急用ガスの準備
ランドドリル(陸上での練習)
1.ガイドラインの使い方
リールの扱い方、ラインの結び方を学び
水中で船内への進入や帰還の目印となるラインを正しく設置する練習をします。
2.ガイドラインのたどり方
ラインを安全にたどって移動する方法を練習をします。
3.コミュニケーション練習
ハンドシグナル、ライトシグナル、タッチコンタクトでの水中コミュニケーションを学びます。
4.緊急時の手順
トラブルが起きたときの対応方法を確認をします。
ロストバディ、ロストライン、ゼロビジ等のシュミレーション練習をします。
水中ドリル
このコースでは、オーバーヘッド環境(沈船の出口が制限される環境)で安全に潜るための練習を行います。
練習内容
1.特有の推進テクニック
閉鎖環境で適した泳ぎ方を練習します。
2.ガイドラインの設置
周囲の環境に注意しながらラインを張る練習。
3.ロストライン/ロストバディ対応
ラインを見失ったり、バディとはぐれた場合の対応を練習。
4.ガイドラインのたどり方
目を開けた状態・閉じた状態・ブラックアウトマスクを使ってラインをたどる練習。
5.閉鎖空間からの脱出とエアシェア
ガイドラインをたどりながら、バディとガスを共有して脱出する練習。
6.マスク脱着
ガイドラインに触れたままマスクを外し、交換する練習。
7.ライトとハンドシグナルでのコミュニケーション
チームメンバーと光や手の合図で意思疎通する練習。
8.タッチコンタクト
視界が悪いときに、触れて確認し合う方法を練習。
9.ライト故障対応
メインライトが壊れたときにバックアップライトを使う練習。
10.ステージガスの設置
沈船の外側に減圧用や緊急用のガスを正しくセットする練習。
11.レギュレーター不具合対応
故障したレギュレーターを切り替えて分離する練習(深度30m以内)。
12.緊急アセントラインの展開
リフトバッグを使って緊急浮上ラインを作る練習。
13.代替浮力デバイスの使用
バックアップの浮力装置として使う練習。
14.ブルーウォーター緊急浮上
6m以深でステージストップ中にSMBを上げて緊急浮上をシミュレーション。
15.レックのレイアウト理解
沈船の構造とナビゲーション時の注意点を理解する。
16.減圧症への対応
水中、水面で減圧症の兆候を示すダイバーを緊急搬送するシミュレーション。
17.計画通りのダイビング
事前に立てた制限内で正確にダイビングを実施。
18.ナビゲーション練習
特定のダイビングに合わせた適切なナビゲーション方法を練習。
19.リストリクション通過とエアシェア
狭い場所を通過しながらロングホースでガスを共有する練習。
20.減圧用ラインの展開
リフトバッグやSMB、アップラインを使って減圧を行う練習。
21.シルトアウト対応
視界がゼロになる状況での正しい行動を練習。
このコースのキーポイント
このコースでは、まず基本的な水中スキルをしっかり身につけることが大切です。
そうすることで、水中での作業や判断がスムーズにできるようになります。
さらに、テクニカルダイビングで重要な
**「自分」「周り」「その先の想定」への気づき(アウェアネス)**を高めていきます。
水中コミュニケーションはチームとの連携を築き、安全性を高めてくれます。
沈船の船内という閉ざされた空間の中でも落ち着いて行動し、
安全にダイビングを終える力を身につけましょう。
このコースの修了条件
このコースを終えるためには、次の3つの条件を満たす必要があります。
・すべての練習を安全に行えること
陸上での練習(ランドドリル)、限定水域(プールなど)、オープンウォーターでのトレーニングを、すべて安全かつ効果的に実施できること。
・計画と判断力を示すこと
ダイビング計画を立てて実行するときに、慎重で正しい判断ができることを示すこと。
・学科テストに合格すること
TDIアドバンスレックコースの筆記試験に合格すること。
修了後にできること
このコースを修了すると、受講者は インストラクターの直接監督なしでレックダイビングに参加できるようになります。ただし、次の条件がそろっている場合に限ります。以下の条件を超える場合は必ずインストラクターとともに現地ガイドのオリエンテーションを受けて自身の行動範囲をアップデートしてください。
・ダイビングの内容が同じであること
講習で練習した内容と同じ種類のダイビングであること。
・活動エリアが同じであること
講習で使った場所と同じエリアであること。
・環境条件が同じであること
水温や流れ、透明度などの環境が、講習時と同じ条件であること。
修了後に進めるステップ
このコースを修了すると、様々なダイビングサイトでワンランク上のファンダイビングが行えます。
- 戦艦陸奥ペネトレーション
- 戦艦ニューヨークペネトレーション
- パラオ沈船ダイビング
- チューク沈船ダイビング
- その他調査中