~350年の研究が私たちに教えてくれた、本当に大切なこと~
「減圧理論」は難しい学問ではありません
このシリーズでは24回にわたり、
- 減圧理論の歴史
- ホルデーン理論
- ビュールマンモデル
- 気泡モデル
- サイレントバブル
- Gradient Factors(GF)
- ダイブコンピュータ
- ナイトロックス
- ヘリウム
- 減圧症の予防
について学んできました。
途中で、
「難しい。」
と感じた方もいたかもしれません。
しかし、私たちが本当に伝えたかったことは、数式でも、理論でもありません。
ダイビングを一生楽しむための考え方
です。
ダイビングは自然を相手にするスポーツ
私たちは海へ遊びに行きます。
しかし、海は私たちの都合に合わせてくれることはありません。
同じポイントでも、昨日と今日では、
- 水温
- 流れ
- 透明度
- 波
- 潮流
すべてが違います。
そして、私たち自身も毎日違います。
- 睡眠時間
- 疲労
- 水分補給
- 年齢
- ストレス
同じ人でも、昨日と今日では違う体なのです。
だからこそ、毎回同じダイビングは存在しません。
減圧理論は「答え」ではない
350年以上、世界中の研究者が減圧理論を研究してきました。
しかし、現在でも研究は続いています。
それは、まだ分からないことがあるからです。
つまり、減圧理論は絶対の答えではありません。
では、何なのでしょうか。
それは、
安全に近付くための道しるべ
なのです。
地図があるから迷いにくくなる。
しかし、地図だけで安全になるわけではありません。
歩くのは、自分自身です。
一番大切なのは「余裕」
このシリーズで、何度も「余裕」という言葉が出てきました。
余裕のあるガス。
余裕のあるダイブプラン。
余裕のある浮上。
余裕のある安全停止。
余裕のある判断。
実は、テクニカルダイビングの世界でも、一番重要なのは特別な器材ではありません。
余裕を作ること。
これが、安全につながっています。
そして、この考え方はレジャーダイビングでもまったく同じです。
快適だから、安全になる
LOVE&BLUEでは、昔から一つの考え方があります。
快適なダイビングは、安全なダイビング。
これは、単なるキャッチコピーではありません。
例えば、
体に合ったマスク。
自分に合ったフィン。
保温性の高いスーツ。
呼吸しやすいレギュレーター。
バランスの良い器材配置。
適正なウエイト。
これらは、疲れにくくなるだけではありません。
呼吸が安定し、ガス消費が減り、浮力コントロールも安定します。
すると、周囲を見る余裕が生まれます。
バディを見る余裕もできます。
海を楽しむ余裕もできます。
つまり、快適さは安全につながっているのです。
「中性浮力」は減圧理論にもつながっている
中性浮力を学ぶ目的は、きれいに泳ぐためだけではありません。
浮力が安定すると、呼吸も安定します。
呼吸が安定すると、余計な二酸化炭素をためにくくなります。
フィンキックも小さくなります。
疲労も減ります。
ガス消費も少なくなります。
そして、余裕を持った浮上につながります。
一見関係ないように思える中性浮力も、実は減圧を考えるうえで大切な要素の一つなのです。
器材選びも安全の一部
私たちは、器材を販売することだけを目的として、器材選びをお勧めしているわけではありません。
器材には、必ず理由があります。
例えば、
呼吸しやすいレギュレーター。
自分の脚力に合ったフィン。
水温に合ったスーツ。
体にフィットしたBCD。
これらは、すべて体への負担を減らすためにあります。
体への負担を減らし、呼吸や運動量を安定させることは、より余裕のあるダイビングにつながります。
つまり、器材選びも安全なダイビングを考える大切な要素なのです。
「潜る技術」より「帰る技術」
ダイバーは、潜ることばかり考えがちです。
しかし、本当に大切なのは、
安全に帰ること。
テクニカルダイバーは、潜る時間より、浮上と減圧の時間の方が長いこともあります。
それは、
「帰ること」
を最も大切に考えているからです。
レジャーダイビングでも、考え方は同じです。
ダイビングは、船へ戻り、器材を片付け、仲間と笑いながら今日の海を語り合うところまでが一本のダイビングです。
海は競争する場所ではない
ダイビングは、深さを競うスポーツではありません。
潜水時間を競うスポーツでもありません。
誰より深く潜ること。
誰より長く潜ること。
それが上手なダイバーではありません。
本当に上手なダイバーとは、
毎回、安全に笑顔で帰って来られるダイバーです。
そして、
バディを安心させられるダイバーです。
350年の研究が教えてくれたこと
ボイルから始まり、ホルデーン、ワークマン、ビュールマン、そして現在の減圧研究まで。
350年以上にわたる研究が、私たちへ教えてくれたことは、実はとてもシンプルです。
人間は自然を支配できません。
だからこそ、
自然を理解し、
自分を理解し、
無理をしない。
この姿勢こそが、減圧理論から私たちが学ぶべき大切な考え方なのです。
もっと深く減圧理論を学びたい方へ
今回の24回にわたる減圧理論シリーズは、LOVE&BLUEで実際に行っているテクニカルダイビング講習の内容の一部を、一般のダイバーにも分かりやすく抜粋して紹介したものです。
本来の講習では、さらに詳しく、
- 不活性ガスの吸収と排出
- 組織コンパートメント
- ハーフタイム
- M値
- ビュールマン減圧モデル
- Gradient Factors(GF)
- 減圧計画
- ガス計画
- 酸素曝露
- ナイトロックス
- ヘリウム
- ダイブコンピュータの考え方
- 緊急時のダイビングプラン
- チームダイビング
- 浮上と減圧の管理
などを学んでいきます。
このコラムでは、できるだけ難しい数式を使わず、「なぜそう考えるのか」を中心に紹介してきました。
しかし、
もっと詳しく知りたい。
ダイブコンピュータが表示する数字の意味を理解したい。
GFを自分で考えられるようになりたい。
減圧ダイビングを正しく学びたい。
テクニカルダイビングの考え方を身につけたい。
そう感じた方は、ぜひLOVE&BLUEのテクニカルダイビング講習へお越しください。
減圧理論を「知識」で終わらせず、実践できる力へ
LOVE&BLUEでは、TDI(Technical Diving International)のテクニカルダイビング講習を開催しています。
テクニカルダイビング講習は、単に「深く潜るための講習」ではありません。
ダイビングを計画し、リスクを考え、自分とチームを管理し、安全に帰るための考え方を学ぶ講習です。
実際の講習では、減圧理論を学ぶだけではありません。
ガス計画。
ダイブプラン。
器材構成。
中性浮力。
トリム。
フィンワーク。
チームダイビング。
アウェアネス。
トラブルへの対応。
そして、安全に浮上し、帰ってくるための判断。
知識と水中スキルを結び付けながら、「なぜそうするのか」を考えるダイビングを学んでいきます。
知識を覚えるだけではなく、
なぜなのか。
もし条件が変わったらどうするのか。
自分ならどう判断するのか。
LOVE&BLUEの講習では、その「考える力」を大切にしています。
テクニカルダイビングは「深く潜る人」だけのものではありません
「自分は深い場所へ潜らないから、テクニカルダイビングは関係ない」
そう思われる方もいるかもしれません。
しかし、テクニカルダイビングから学べるのは、深く潜る技術だけではありません。
計画する力。
リスクを予測する力。
自分の状態に気付く力。
チームを見る力。
条件が変わったときに判断する力。
これらは、レクリエーショナルダイビングでも大切な能力です。
テクニカルダイビングは、単に限界を広げるためのダイビングではありません。
自分のダイビングを、より深く理解するための学びでもあります。
たとえ将来、深いダイビングをしなかったとしても、そこで学ぶ考え方は普段のダイビングにも大きく役立つと私たちは考えています。
LOVE&BLUEが目指すダイビング
私たちは、単にダイビングの技術を教えたいわけではありません。
「快適で安全なダイビングの考え方」
を伝えたいと考えています。
知識があるから安心なのではありません。
器材が高価だから安全なのでもありません。
一番大切なのは、
考える力です。
海況を考える。
器材を考える。
自分の体調を考える。
バディを考える。
その積み重ねが、本当の意味での安全を作ります。
そして、その安全があるからこそ、
海の美しさに感動し、
生き物との出会いを楽しみ、
歴史ある沈船に思いを馳せ、
一本一本のダイビングを心から楽しめるのです。
最後に
24回にわたるこのシリーズを最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
減圧理論は、一見すると専門的で難しいテーマです。
しかし、その本質は決して複雑ではありません。
「余裕を持つこと。」
この一言に尽きます。
余裕を持って計画する。
余裕を持って呼吸する。
余裕を持って浮上する。
余裕を持って海と向き合う。
その積み重ねが、
10年後も、
20年後も、
そして生涯にわたってダイビングを楽しみ続ける力になります。
海は、いつも新しい発見を与えてくれます。
だからこそ、私たちも学び続け、成長し続けたい。
LOVE&BLUEは、これからも皆さまと一緒に、
「快適で安全なダイビング」
を追求し続けます。
そして、もっと深く知りたいと思ったとき。
もっと自分のダイビングを理解したいと思ったとき。
その先に、テクニカルダイビングという学びの世界があります。
次の一本も、その先の一本も。
どうか、安全に、そして心から楽しめるダイビングでありますように。
LOVE&BLUEでテクニカルダイビングを学びませんか?
この24回のコラムを読んで、
「減圧理論をもっと詳しく学びたい」
「ダイブコンピュータの数字を理解したい」
「ナイトロックスや減圧ダイビングを正しく学びたい」
「自分のダイビングを、もう一段階レベルアップさせたい」
そう感じた方へ。
LOVE&BLUEでは、これからテクニカルダイビングを始めたい方から、減圧ダイビング、大深度潜水、CCRダイビングへ進みたい方まで、それぞれの経験と目的に合わせたTDIテクニカルダイビング講習をご案内しています。
「どの講習から始めればいいのか分からない」
「自分にテクニカルダイビングができるのか不安」
「まずは話だけ聞いてみたい」
そんな方も、お気軽にご相談ください。
現在の経験。
普段のダイビングスタイル。
これから潜ってみたい海。
そして、目指したいダイバー像。
それらをお聞きしたうえで、あなたに合ったトレーニングをご提案します。
減圧理論を、読んで知るだけで終わらせない。
知識を理解し、水中で実践し、自分で考えられるダイバーへ。
この24回のコラムの先を、今度は海で一緒に学んでみませんか?
LOVE&BLUE TDIテクニカルダイビング講習
次の一本を、ただ潜る一本から。
考え、理解し、安全に帰る一本へ。
LOVE&BLUEは、「快適で安全なダイビング」を学びたい皆さまをお待ちしています。
