ナイトロックスを「使う」だけではなく、正しく理解して使うために
TDI Nitrox Diver(ナイトロックスダイバー)は、エンリッチドエアーナイトロックス(EAN)を呼吸ガスとして使用するために必要な知識を学ぶコースです。
ナイトロックスとは、一般的な空気よりも酸素濃度を高くした呼吸ガスです。
適切に使用することで、空気を使用した場合と比較して窒素への曝露を抑えることができます。
一方で、酸素濃度が高くなることで、酸素分圧や酸素曝露、MOD(最大行動深度)などについて正しく理解する必要があります。
ナイトロックスは、
「酸素が多いから安全なガス」ではありません。
ガスの特性と限界を理解し、正しく計画して使用することでメリットを活かすことのできる呼吸ガスです。
このコースでは、ナイトロックスを安全に使用するための基本を学びます。
こんな方におすすめ
- ナイトロックスを使用してダイビングをしたい
- ナイトロックスについて基礎から学びたい
- 空気とナイトロックスの違いを理解したい
- 酸素分圧やMODについて理解したい
- 自分で使用するガスを分析できるようになりたい
- ダイブコンピュータのナイトロックス設定を理解したい
- 将来テクニカルダイビングへ進みたい
- Advanced Nitroxなど次のTDIコースへ進みたい
ナイトロックスはレクリエーショナルダイビングだけではなく、今後テクニカルダイビングを学んでいくうえでも重要となる呼吸ガスです。
ナイトロックスとは?
私たちが通常ダイビングで使用している空気には、約21%の酸素が含まれています。
それに対して、空気よりも酸素濃度を高くした呼吸ガスをエンリッチドエアーナイトロックス(EAN)と呼びます。
酸素濃度を高くすると、その分だけ窒素の割合が低くなります。
そのため、同じ水深・同じ時間のダイビングでも、空気を使用する場合とは窒素への曝露が変わります。
しかし、酸素濃度を高くすれば高くするほど良いわけではありません。
深度が増すと酸素分圧も上昇するため、それぞれのナイトロックスには使用できる深度の範囲があります。
そのためナイトロックスダイビングでは、
「何%の酸素が入っているのか」
そして、
「そのガスを何mまで使用できるのか」
をダイバー自身が理解することが重要です。
このコースで学ぶこと
TDI Nitrox Diverでは、ナイトロックスを安全に使用するために必要となる基礎知識を学びます。
主な内容は次のとおりです。
エンリッチドエアーナイトロックスの基礎
ナイトロックスとはどのような呼吸ガスなのか、空気とは何が違うのかを学びます。
生理学
窒素や酸素が身体に与える影響について学びます。
ナイトロックスでは窒素だけでなく、酸素への曝露について理解することが重要になります。
物理学
深度によってガスの圧力や分圧がどのように変化するのかを学びます。
酸素分圧(PO2)
ナイトロックスを理解するうえで重要となる酸素分圧について学びます。
MOD(最大行動深度)
使用するナイトロックスの酸素濃度から、そのガスを使用できる最大行動深度を考えます。
EAD(空気換算深度)
ナイトロックスを使用したときの窒素への曝露を、空気を使用した場合の深度に置き換えて考える方法を学びます。
ダイブコンピュータ
ナイトロックス対応ダイブコンピュータへの酸素濃度の設定や、使用時の注意点について学びます。
ナイトロックスの長所と短所
ナイトロックスにはメリットだけではありません。
使用するガスの特徴と制限を理解し、目的に合わせて適切に使用することを学びます。
ガス分析
実際に使用するナイトロックスの酸素濃度を、酸素アナライザーを使用して確認します。
シリンダーの管理とラベリング
分析したガスをどのように記録し、確認し、管理するのかを学びます。
ガスは自分で確認する
ナイトロックスダイビングで特に大切なのが、使用するガスの確認です。
「ナイトロックス32%を注文したから32%のはず」
ではなく、
実際に自分が使用するシリンダーの酸素濃度を、自分自身で確認する
ことが基本です。
講習では酸素アナライザーを使用してガスを分析し、
- 酸素濃度
- MOD
- シリンダーの確認
- 分析結果の記録
- ダイブコンピュータへの設定
など、実際にナイトロックスを使用するときの手順を学びます。
呼吸するガスについて自分自身で確認し、理解することは、ナイトロックスだけでなく、その先のテクニカルダイビングにもつながる重要な習慣です。
このコースでできるようになること
コースを修了し、認定基準を満たすことで、酸素濃度21%から40%までのエンリッチドエアーナイトロックスを使用したダイビングを行うために必要な知識を身につけます。
また、
- 使用するナイトロックスの酸素濃度を分析する
- MODを確認する
- ダイブコンピュータへ適切な酸素濃度を設定する
- 使用するガスの特徴と限界を理解する
- ナイトロックスを使用したダイビングを計画する
といった、実際にナイトロックスを使用するための基本的な手順を身につけます。
※この認定は、計画的な減圧停止を必要とするダイビングや、複数の呼吸ガスを使用するテクニカルダイビングを行うための認定ではありません。
参加条件
TDI Nitrox Diverを受講するための基本的な条件は次のとおりです。
- 15歳以上
- SDI Open Water Scuba Diver、またはTDIが認める同等資格を保有していること
- SDI Open Water Scuba Diverコース受講中の場合も受講可能
詳しい参加条件については、お申し込み時にご確認ください。
海洋実習について
TDI Nitrox Diverでは、認定のための海洋ダイビングは必須ではありません。
TDIではナイトロックスを使用した2ダイブが推奨されています。
LOVE & BLUEでは、ご希望や今後のダイビング計画に合わせて、ナイトロックスを実際に使用した海洋実習を組み合わせることができます。
実際のダイビングで、
「ガスを分析する」
「MODを確認する」
「ダイブコンピュータを設定する」
「使用するガスとダイブプランを確認する」
という一連の流れを経験することで、学科で学んだ知識を実際のダイビングにつなげることができます。
講習料金
TDI Nitrox Diver
講習申込料 37,400円
別途
- 教材代
- 海洋講習費
- 必要な呼吸ガス代
が必要となります。
海洋実習費 13,200円/日
LOVE & BLUEのフィールドで海洋実習を開催する場合、エアー代は無料です。
詳しい料金についてはお問い合わせください。
認定について
講習を受講すれば自動的に認定されるものではありません。
認定には、ナイトロックスを安全に使用するために必要な知識と手順を理解し、TDIが定める認定基準を満たす必要があります。
主な内容として、
- ナイトロックスを使用したダイビング計画を理解する
- 酸素分圧とMODを理解する
- EADの考え方を理解する
- ナイトロックスの酸素分析を行う
- シリンダーを適切に確認・管理する
- ダイブコンピュータへ適切な設定を行う
- 学科試験に合格する
などがあります。
大切なのは、計算方法だけを覚えることではありません。
「なぜ確認するのか」「なぜこの深度を超えてはいけないのか」
を理解し、自分で判断できることを目指します。
ナイトロックスは「安全なガス」ではありません
ナイトロックスは、正しく使用することでさまざまなメリットがあります。
しかし、
「空気より酸素が多い=安全」
という意味ではありません。
酸素濃度が高くなれば、酸素分圧や酸素曝露について考える必要があります。
一方で窒素の割合が低くなることで、窒素への曝露は空気とは異なります。
重要なのは、どちらが「安全なガス」なのかを決めることではなく、
そのダイビングに使用するガスの特徴・メリット・限界を理解することです。
TDI Nitrox Diverは、そのための基礎を学ぶコースです。
次のステップへ
ナイトロックスについて理解することは、テクニカルダイビングへ進むための重要な基礎にもなります。
まずは、テクニカルダイビングそのものの基礎スキルを学びたい方には、
TDI Intro to Tech
という次のステップです。
現在の経験と、これからやってみたいダイビングに合わせて知識を身につけていただくようにご案内します。
TDI Nitrox Diverについてお問い合わせ
「ナイトロックスを使ってみたい」
「海洋実習も一緒に受けたい」
「将来テクニカルダイビングへ進みたい」
「Advanced Nitroxまで続けて受講したい」
など、受講方法についてわからないことがあればお気軽にお問い合わせください。
現在の認定資格や経験、これからやってみたいダイビングに合わせてご案内します。