下図は、左乾舷(海面上にある艦側面)の現存している部分を色分け表示しています。グレーとカラーで塗られた部分が、引き上げ後も海底に残っているエリアです。


カラーエリアについては、面形状ごとに塗り分けています。この部分は、4つの面が合流している箇所になります。イエロー面は、舷側の窓が並ぶ垂直面。グリーン面は、同じく舷側ですが、船内内側に向けて傾斜した面となります。ブルー面は、バルジの上面にあたる水平に近いデッキ状の面です。ピンク面は、バルジの側面にあたる垂直面となります。イエロー面は、艦の前後方向に平行面であるのに対して、ピンク面は前方に向けて窄んでいく形状のため、グリーンとブルーの面が反転しており、それが一点で合流しています。複雑な造形であると言えるでしょう。

全体像を把握しやすいように、複数の写真を合成すると下図のようになります。

(▲写真下部へ延びる構造は“ハ”の字に開いていますが、これはレンズの歪みによるもので、実際には平行です。)
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本記事は、陸奥プロジェクトの制作本 『戦艦陸奥 誕生から100年の歴史を視る(1)』のダイジェスト版です。本書はLove & Blueにて好評販売中!お気軽に下記までご連絡下さい。
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書名: 戦艦陸奥 誕生から100年の歴史を視るⅠ
副題: 写真と図で徹底解説、海底に残された陸奥の記録
制作: 陸奥プロジェクト
印刷所: 東京カラー印刷株式会社
頁数: 56ぺージ
初版 発行日: 2024/8/12
第二版改訂版 発行日: 2025/4/4
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